支援事例
相談者Aさんの場合
居宅介護支援センター(ケアマネージャー)
男性Aさん(87歳):要介護 1
頚部脊椎症等のリハビリ目的で入院中、妻は死亡
相談内容・問題点
借家で妻と二人暮しであったが、妻が死亡した後は一人暮らしとなる
妻の葬儀等は、妻の弟の妻と弟の子 (甥) が手伝ってくれる
妻の弟の妻は高齢で「自分はこれ以上関わることが出来ない」と言われる
甥も近隣に居住しているが、仕事が多忙なため、今後の面倒を見ることは難しい状況
デイサービスを週1回利用していたが、徐々に歩行低下が進行し、入院
在宅での生活が困難なため施設入所を検討するが、身元保証人がいないことが問題となる
本人様の兄弟は高齢で近くに住んでいないため保証人は難しい
妻の弟の妻は高齢であること、甥は仕事が多忙なため保証人を拒否される
本人様は、甥が面倒をみてくれると思い込んでいるため、身元保証人の選定で行き詰まる
居宅ケアマネージャーから身元保証制度の内容について本人様に説明したところ、詳しい内容を聞きたいとの希望があったため本人様に対する説明を実施
本人様と居宅ケアマネージャー・甥を交えて身元保証の業務内容及び契約手続き等を説明する中で、甥から「自分は仕事が忙しくて伯父さんの面倒を見ることは出来ないので、今後は、あまねくライフサポートの支援を受けて欲しい」との助言によりご理解をいただく
契約後の状況
自宅から近くにある施設に入所され、入院していた病院へ通院される
借家オーナーへの解約申出、施設へ持ち込む荷物の分別、引越し業者の手配から見積作業時の立会
入所に伴い住所変更の代行手続き、かかりつけ医からの紹介状の手配等を行う
身元保証人として施設関係の契約手続き、借家の原状復旧手続き等を行う
ライフラインやレンタル用具の停止 (変更) 手続きを行う
< 契約後2ヶ月 >
施設ケアマネージャーから「短期記憶に支障が生じている(今話したことを忘れる等)」との連絡により認知症状の進行が問題となる
施設ケアマネージャーから症状の説明を受けるとともに、本人様と面談したところ、認知症の進行が早まっている傾向が見られる
任意後見契約手続きを早期に行う必要があるため、本人様の意思決定に影響力のある甥と担当弁護士を交えて任意後見契約の説明を行う
甥から再度「今後は伯父さんの面倒を見ることは出来ない」旨の助言をしてもらい、将来的な保険として任意後見契約を締結することのご理解をいただく
本人様と担当弁護士及び当財団職員が同行し、公証役場で任意後見契約の手続きを行う
< 契約後4ヶ月 >
本人様から所有している不動産の売却依頼あり
物件内容(登記簿等)と本人様の売却希望の内容を確認し、関係業者に売却手続き依頼をする
< 現在 >
他の入居者や施設の職員が身近にいることから本人様は安心感を持たれ、落ち着いて生活をされている(表情が穏やかになられる)
不安感から精神的に弱くなる場合もあり、定期的な訪問等を行い安心した生活が送れるようサポートを行う(施設職員とも連携をとりながら)
時折、体調を崩すことがあり、死後の対応として遺言状の作成を検討されている